2019年の投資に向けて株式相場はどうなるのでしょうか。2018年は値動きに翻弄された1年でしたが、2019年はイベントも多く、話題となりそうな注目の株テーマを押さえるのもポイントです。2018年の振り返りから2019年の見通し、注目の株テーマ、みんかぶが徹底比較した2018年の最も優れたネット証券ランキングをご紹介します。

2019年株式相場の見通しと2018年株式相場の振り返り

2018年の東京株式市場は、ひとことで言えば予測不能な地合いが続き、高値から安値まで波乱含みの値動きに翻弄された1年でした。2018年の相場を一文字で表すとするなら「乱」といえるのではないでしょうか。

2016年イベントチャート

2018年相場前半の振り返り 株価に影響を与えたニュースとは

1月は出足快調でスタートダッシュを決めましたが、1月下旬に2万4124円(終値ベース)の高値をつけた後はずるずると株価が下がりはじめ、米長期金利の上昇が株価下落の引き金となり、3月下旬には2万600円台まで水準を大きく切り下げました。あわせて、この頃は外国人投資家が売り主体となっていたため、日銀のETF買いなどの援護射撃も焼け石に水で、2万円大台割れを覚悟した市場関係者も多くいました。

しかし、4月新年度相場入りからは絵に描いたような反騰相場へと流れが変わりました。全体は底入れからリバウンドに動きだし、日経平均は5月下旬にかけてほぼ一本調子の戻り。5月下旬には2万3000円台を瞬間回復する場面がありました。この時は米朝首脳会談に向けた準備段階の時期で、空売り筋の買い戻しが全体相場に浮揚力を与えました。ただ、CTA(商品投資顧問)によるアルゴリズム取引などの高速自動売買が実感なき上昇相場の原動力となっており、個人投資家などは乗り遅れた方も多かったようです。

その後、5月下旬から9月にかけては2万1000円台半ばから2万3000円の幅で文字通りのボックス往来相場(= 一定の株価の範囲で行ったり来たりする相場)となり、値動きが落ち着いた時期がしばらく続きました。

2018年9月からは、アメリカの長期金利を巡る思惑が波乱のタネに

大きく動きが出たのは9月中旬以降の相場です。日経平均は9月14日に5月から続いた相場の上値を大きく突破、そこからは火の鳥が舞う如く10月2日の年初来高値2万4270円(終値ベース)まで突き進みます。これはバブルの余韻冷めやらぬ1991年の秋以来、実に27年ぶりの高値圏。長かったデフレ相場からの脱却を果たし、アベノミクス相場の面目躍如といったところでした。

ただ、その後は米長期金利の上昇を背景とした米国株主導の下げ相場に見舞われることに。米中貿易摩擦の問題や米10年債利回りの急伸を背景とした新興国からの資金流出、いわゆるレパトリエーション(= 企業などが海外に投資していた資金をリスク回避のため本国に戻す)の流れとともに、世界同時株安の扉を押し開いてしまいました。日経平均は10月後半以降、2万1000円前後を下値、2万2500円前後を上値とするボックス推移が12月末まで続きましたが、年末最後にまた、2万円大台割れが見えてくるような値動きと大荒れという1年になりました。

2019年の相場はどうなる?注目は「東京オリンピック」「新元号」「GW10連休」など

2019

さて、2019年相場はどうなるのでしょうか。全体相場については、FRBが利上げ打ち止めを前倒しで行うという見方が強まってくれば、落ち着きを取り戻す可能性が出てきます。また、2019年10月に控える消費税率の10%への引き上げもポイントになるでしょう。

イベントとしては何といっても平成から次の時代への改元が注目です。それにあわせて10連休も設定されており、改元に関連した投資テーマや、10連休ということで観光や余暇に関連した投資テーマが人気になりそうです。

そのほかではラグビーワールドカップが予定されており、インバウンドの伸びは続きそうです。2020年に控える東京オリンピックの話題もさらに増えていきそうで、株式市場をにぎわせることになるでしょう。

2019年注目の株テーマ

2019年に話題となりそうな注目の株テーマをご紹介。
株テーマはその話題性が株価の変動に影響されます。2019年の取引に向けて参考にしてみてください。

【東京オリンピック】

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  2020年東京オリンピック・パラリンピックは国立競技場(東京都新宿区)をメーン会場に7月24日から8月9日までの17日間開催される予定。これに伴い競技会場の建設をはじめ交通など社会インフラの改修、都市再開発や新設などが必要となる。各競技のメーン会場の決定とともに工事の本格化が見込まれ、つれて関連企業業績への本格貢献が市場の関心を集めそうだ。また、健康志向が高まるなか、オリンピック・パラリンピックの開催が刺激となるかたちでスポーツウエア・用具の消費拡大も予想される。

【元号関連】
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  天皇陛下が16年8月、「生前退位」の意向を示されたことで、新元号への関心が高まっている。元号は基本的に、天皇陛下が崩御された際に切り替わることになっているが、特例法とはいえ生前退位で改元の時期が事前に定められることとなり、改元を控えた特需が発生する可能性がある。 現在のところ、天皇陛下の退位と皇太子さまの即位に伴う新元号の施行期日については「19年4月30日・同5月1日」とする案が有力で、新元号は18年中に公表する見通し。今後、官民で退位に向けた準備が本格化することから、動向には注目したい。

【10連休】

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  2019年のゴールデンウイーク(GW)は皇太子が即位する5月1日を祝日扱いとし、祝日法により前後の4月30日及び5月2日が休日となることで驚異の10連休となる。GWといえば旅行需要が増加する時期だが、10連休により、海外に加え国内でも遠方に旅行を計画する人々には、気兼ねなく長期休暇を取ることのできるチャンスとなり、例年にない盛り上がりが期待される。これに伴う消費により、関連企業へのインパクトは大きいだろう。

【外国人労働者】

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  現在、日本ではさまざまな分野で人手不足が叫ばれており、これを解消するために「現場」での外国人の受け入れが重要視されている。外国人労働者の受け入れを拡大する出入国管理法改正案が18年11月に閣議決定され、建設や農業、介護、造船、宿泊など人手不足が深刻な業種に限って外国人労働者の受け入れが拡大する方針。それに伴うビジネスチャンスも拡大している。

【QRコード】

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  QRコードを利用したキャッシュレス決済が関心を集めている。QRコードとは2次元バーコードの一種で、情報量が大幅に増加したのが特徴。日本の工業の標準規格であるJIS規格や、国際的な標準規格であるISO規格としても採用されている。 また、近年ではキャッシュレス決済の手段として利用が広がっており、中国ではアリペイがQRコード決済を導入し、手軽さから急速に普及が進んでいる。日本ではキャッシュレス決済の普及が遅れているが、3大メガバンクがスマホで決済できるQRコードで規格を統一する方向にあり、今後、QRコードを利用したキャッシュレス決済の普及が期待されている。

【4K・8Kテレビ】

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  現行のテレビ放送に比べ、映像・動画の解像度(画素数)が高い映像4Kや8Kで行われる放送の通称。2018年12月からBS・CS放送で4K・8Kの実用放送が開始される予定。  現行の2Kテレビの水平1920×垂直1080/約207万画素に対し、4Kテレビは情報量が4倍の3840×2160/約830万画素、8Kテレビはその上を行く7680×4320/約3318万画素となっている。画素数でいえば8Kテレビの情報量は4Kテレビの4倍、2Kテレビの16倍ということになる。  株式市場では、テレビ受像機だけでなく、4K・8K用の放送機器関連の銘柄も対象となる。